京都・一保堂「嘉木」

京都のお茶屋さん一保堂の喫茶室「嘉木」に行きました.「嘉木」は『京都カフェ案内』にも出てきていて,たぶんすごく前に1回は行った気がするのだけど,もうよく覚えていません.





7月までという「お抹茶と祇園祭のお菓子」(1100円)を頼みました.けっこう高いかも... 抹茶の方の画像は一口飲んでしまったものです(私は茶道は全然知らないです).お菓子は,亀廣永の「したたり」(黒砂糖と寒天のお菓子)と三條若狭屋の「祇園ちご餅」だそうです.京都の暑さの中で,ほっと一息つきました.

台湾

パリから戻って,すぐに台北に数日間滞在する.過去の日記を見てみると,台湾は最初に来たのが 2012 年9月,最後に来たのが2017年9月 で 6 回目になるみたい(こういうときに,この日記をつけているのは便利と思う).



もはや定点観測みたいに,今回も茶藝館「紫藤廬」でごはんを食べた.「牛バラ肉の玉ねぎ煮込みと野菜」で390台湾ドル(1台湾ドル=約3.6円).去年来たときは380台湾ドルだったので,少し上がっていた.先方とは,直接会う方がメールのやり取りもいろいろとはかどると感じた.

[映画] 『ミックス』


フランスへの飛行機の中で見ました.卓球の混合ダブルスがテーマで,コミカルな映画でした.瑛太もかっこいいし,新垣結衣もかわいいです.広末涼子もいい感じでした.つっこみどころ満載ですが,面白かったです.

[旅] パリ

1週間ほどパリに来ています.昨日の7月10日は,ワールドカップ準決勝のフランス-ベルギー戦がありました.夜20時位にみんなで夕食を食べにレストランに向かっているときは,テレビがあるビストロみたいなところは,だいたいどこも人が集まっていました.そのときの写真です.いろんなところで,このように人が集まっていました.



私たちが行ったレストランは空いていました.ワールドカップの試合と時間が重なったせいか,もともとそんなに混んでいないところなのかよく分かりません.食べ終わったのが22時頃だったのですが,外に出たら,いたるところで歓声が聞こえて,車のクラクションも間断なく鳴っていました.フランスが勝ったということが分かりました.そのときの写真です.道路にも人が出ていて歓声を上げています.



ホテルに戻ってテレビをつけたら,シャンデリゼ通りが人で埋まっている映像が出てきました.パリのいたるところで,そういう感じだったのかも.

ちょうど4年前のワールドカップ(W杯)ブラジル大会のときには,ストラスブールに来ていました(2014-06-30).ベスト16を決めるグループEでの試合のうち,2014年6月21日のフランス-スイス戦(フランスが 5-2 で勝利),6月26日のフランス-エクアドル戦(フランスは 0-0 で引き分け)がありました.でも,そのときは,もっと静かだった気がします.大会のあるブラジルとフランスの時差のせいもあったのかもしれないですが.

伊達聖伸『ライシテから読む現代フランス 』岩波新書


伊達聖伸『ライシテから読む現代フランス(岩波新書)』を読んだ.


ライシテ(laïcité)についての本.私は(このサイトを開く前に)パリにしばらく住んでいた時期があって,最近は,フランスに行く機会があまりないけれど(でも,2018年は3月にパリに10日ぐらい滞在したし,7月にも1週間ぐらい滞在予定,つきあいの長い知人も何人かいるし),フランス社会にはやっぱり関心がある.ライシテについても,一度,理解しておきたいなと思っていたので,この本を見つけてさっそく購入した.


ライシテは,strict secularism(厳格に,公の場に宗教を持ち込まないこと)などと訳されることが多い.しかし,その見方が単純すぎることが,第1章「ライシテとは厳格な政教分離のことなのか」で説明されている.1905年に成立したライシテ(政教分離法案)は,ローマカトリック教会へ対抗して作られたと説明されることが多いが.その当時でもライシテにはいくつもの意味合いがあったという.専門家のジャン・ボベロによれば,1905年当時でも,
(1)宗教を敵視するライシテ
(2)(国家が宗教を管理統制する)ガリカニスムのライシテ
(3)個人の信仰を重んじるライシテ
(4)宗教組織に協調的なライシテ
の4つの類型があったという.さらに,それ以降,(5)アルザスモーゼルの3県における「コンコルダートのライシテ」,(6)宗教の公共性を強調する「開かれたライシテ」,そして(7)公的秩序に訴える「アイデンティティのライシテ」の3つの類型が付け加わるという.


第1章ではライシテがどのようなものかについて書かれているが,本書の主題は,なんといっても,シャルリ・エブド事件(2015年1月),それからテロ事件(2015年11月)のような,ライシテとイスラームの関係にあるだろう.第2章や後書きに書かれているように,著者は「イスラームに向き合うカト=ライシテという現在の構図を,文明の衝突論に落とし込まない」ようにしたかったという.さらに著者は,「カト=ライシテというマジョリティの論理と宗教的マイノリティの関係へと見方をずらずことで,自己批判と共生への努力が過去にもあり,現在もあることから,一縷の希望が見えてくるのではないだろうか」と続ける.


第2章「宗教的マイノリティは迫害の憂き目に遭うのか」では,「自己批判と共生への努力が過去にもあり,現在もあること」の例証として,ライシテに関係する事件が3つ挙げられている.一つは,フランス革命前のジャン・カラス事件(ここでは,プロテスタントが宗教的マイノリティになっていて,処刑されたプロテスタント商人のカラスの名誉回復のために.ヴォルテールは『寛容論』を刊行した).もう1つはドレフュス事件(ドレフュスはアルザス出身のユダヤ人で*1,ここではユダヤ教徒が宗教的マイノリティ),そして最後が1998年のスカーフ事件(宗教的マイノリティは,ヴェール姿のムスリムの少女たち).


第3章「ライシテとイスラームは相容れないのか」では,「フランスのムスリム」とみなすことのできる言論人や社会活動家(サイーダ・カダ,ドゥニア・ブザール,サードルト・ジャヴァン,ファドゥラ・アマラ,フーリア・ブーテルジャ,タリク・ラマダ*2,アブデヌール・ビタール,アブダル・マリク)が,ライシテをどう捉えてているか,非常に多様な声が書かれている.

感想

ライシテとイスラムの異質性を文明論や本質主義に落とし込まずに,カト=ライシテというマジョリティの論理と宗教的マイノリティの関係へと見方をずらしたい,という著者の姿勢はいいなと思った.


一方で,第3章の多様な見方は,私には複雑で難しかった(ポジティブに書くなら,ライシテの多様さが感じられた).言論人の発言だけでなくて,フランスに住む普通の(一般の)ムスリムの人たちが,ライシテをどう捉えているかを知りたいと思った.また,ライシテがフランス社会でどのくらいの位置を占めているのかも知りたいと思う.現代フランス社会というポリフォニーを流れる基底音の一つではある気はするのだけど,それ以外にもいろいろとあると思うので.


ついでながら,Economist 誌(May 9th 2017)によれば,マクロン大統領は,ライシテについては,

Although he accepted that Islam was a unique subject of concern in today's France, he was equally adamant that no religion was in itself a problem. The purpose of France's regime of laïcité (strict secularism) was not “to conduct a battle against this or that religion in particular, not to exclude, not to point a finger…” As he conceived it, the function of laïcité was not to curb religion but to affirm and underpin religious freedom, albeit strictly within the framework of the law.


という立場だそう.第1章に書かれているライシテの7つの類型だと,(1)「宗教を敵視するライシテ」は拒否していて,(2)(国家が宗教を管理統制する)ガリカニスムのライシテと(3)「個人の信仰を重んじるライシテ」という感じだろうか.

*1:そういえば,マルク・ブロック(2016-03-31参照)も,アルザス出身でユダヤ出自だった.

*2:Economist 誌(Nov 10th 2017)によれば,「Tariq Ramadan, a star of Europe's Muslim intelligentsia, confronts accusations of rape. The Oxford professor, who denies the allegations, has taken a leave of absence」とのこと.

[映画] 『Darkest Hour(ウィンストン・チャーチル)』


飛行機の中で『Darkest Hour(ウィンストン・チャーチル)』をみました.ナチスのフランスなどへの侵攻が激しいときに,イギリスの首相に選ばれたチャーチルが,ナチスと戦うことを決めるおよそ1ヶ月程度が描かれています.どこまでが史実に基づいているのは分からないですが,チャーチルが,演説の草稿を作る変人ぶり(?)と強い演説が印象的でした.

[旅] パリ

パリに10日間ほど滞在しました.かなり幸運な偶然で,知り合いの若い中国系フランス人に会いました.その人がお昼ご飯に招いて下さって,ご夫婦の住んでいるパリ郊外のオルセー・ヴィルに RER B に乗って行きました.写真は,オルセー・ヴィルの教会です.




2016-09-15 の比較で,定点観測(?)みたいに,パレ・ロワイヤルでとった写真も貼ります.春というにはまだ早い感じでしょうか.