二宮宏之『マルク・ブロックを読む』
- 作者: 二宮宏之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/01/16
- メディア: 文庫
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二宮宏之『マルク・ブロックを読む』を本屋で見かけて購入しました.マルク・ブロックの一文が,この下に書く本の最初に一文が引用されていると思っていて(勘違いしていたのですが),それで,マルク・ブロックってどんな人なんだろうと思ったのです.著者の二宮氏が市民セミナーで講義したものをまとめたものです.簡単に内容をば.
5つの講義からなり,第1講ではマルク・ブロック(1886年-1944年,フランスの歴史学者)の出自が語られている.もともとはアルザス地方のユダヤの家系であること,父親がリヨンの歴史学の教授であること,マルク・ブロックはパリのエコール・ノルマルを出たこと,祖父,父,マルクと社会階層を上がってきたことなど.第2講では,マルク・ブロックがストラスブール大学で教えていたときに,同僚のリュシアン・フェーヴルと,Annales d'Histoire Economique et Sociale という学術誌を創刊し,いわゆるアナール学派というフランス歴史学の潮流を作ったことが語られている.第3講と第4講は,マルク・ブロックの主著である『王の奇跡』,『フランス農村史の基本性格』,『封建社会』がどんな内容なのかが説明されている.第5講では,第2次大戦のときに,マルク・ブロックがナチスへのレジスタンス運動に身を投じ,ドイツ軍に捕まって銃殺されたことが語られている.
感想:アナール学派が歴史学者の中でどういう位置づけにあるのかよく分かりませんでした.大事件や有名人物の歴史だけでなく,それぞれの時代の普通の人の生活史などを重視するという感じなのでしょうか.ブローデル『地中海』にも繋がっているようです(私は読んだことないのですが).